群馬県の図像板碑(10) |
根小屋は高崎市の南部に位置する。上信電鉄の「根小屋」駅があり、地域の南部に観音山丘陵が続きこの地に武田信玄築城の伝説をもつ城の根小屋があったことが、地名の由来といわれる。上原家は駅から徒歩で約10分余り、金井沢川を越えた所を県道から北へ旧道を入ったところにある。
板碑は現高32センチ(右側)、最大幅23.5、厚さ5センチの緑泥片岩製の断片で、阿弥陀立像の下部と蓮弁の右側を残すだけのものである。衣文は周囲を残して内部をゆるやかにV字形に彫り窪めて表し、蓮弁は複輪付で作られる。断片であるがその彫りは丁寧で鎌倉後期から南北朝時代のものと思われる。
『高崎市史』中世資料編(平成4年4月)に収録されて所在を知り調査した板碑である。