福島県の来迎石仏・板碑(48) |
★岩瀬村公民館来迎石仏1 岩瀬村柱田字中地前7 岩瀬村公民館
県道中野須賀川線に面し岩瀬村役場の西に公民館があり、その裏庭に2基の来迎石仏があるが、元は中学校の南にある跡見塚古墳から昭和47年に移されたものである。
右側の石仏は地上高115cm、上巾63cm、最大巾83cmで、背面は凹凸のある不整形であるが厚さ約15cmの凝灰岩製で、頭部が少し尖った山形を呈する。この石の表面に火頭窓様の輪郭を約0.5cmとごく浅く彫り窪める。中央の尖りの下から正面を向く来迎相の阿弥陀如来が雲尾を後方になびかせた瑞雲の上に立ち、その腕のあたりから左右に宝冠をかぶり蓮台を持つ観音菩薩と、合掌する勢至菩薩が向い合う通形の三尊様式を薄肉彫りする。中尊の像高37cm、観音34cm、勢至32cmと中尊と脇侍の像高に余り大きな違いはなく、また像の上下の高さの違いも余り大きくない。
★岩瀬公民館来迎石仏2
先の来迎石仏の左に下部がかなり埋もれて北面してたつ。地上高90cm、下巾58cm、厚さは右側で13.5cmで右側面がゆるくカーブして上部で狭くなった板状の凝灰岩製である。表面の凹凸を避けて普遍的な凸字形の輪郭をとって内部を約1.5cm彫り窪めるが、下縁よりかなり上まで土に埋もれている。
正面向きの中尊が陰刻された三角状の蓮座の上に立ち、輪郭の広くなったところから中尊の方を向いて蓮台捧持の観音、合掌する勢至の二菩薩を薄肉彫りする。中尊の面部と下半身の一部に石の剥離がみられる。