福島県の来迎石仏・板碑(19) |
A. 円谷印刷所 来迎石仏
西側をJR東北本線、ミナミを国道118号線に囲まれた一画にある、円谷印刷所の工場裏側の空き地に自然石の台石の上に立てて二基の石殿とともに祀られる。
総高96.5cm、幅53cm、厚さ12cmの凝灰岩製のもので、正面に39.5×56.5cmの長方形の枠を1cm内外に浅く彫り沈める。その内側に中尊の阿弥陀如来像を中心に、脇侍二菩薩が互いに向き合った通形の来迎三尊像を薄肉彫りする。須賀川市は百戸以上の大火の記録が元禄八年、文化年間二回など多く残り、この石仏もこの火災にあったのでは無いかと考えられるほど風化が進んでいる。
B. 御所宮(大山祗神社うら)来迎石仏
JR東北線を越えて先に紹介した宝来寺を越えた辺りに、御所宮遺跡の寺院跡と考えられる所がある。石段を上がる愛宕山には元弘にに始まり建武や観応等南北朝の磨崖板碑が多数造立されている。
大山祗神社の石の鳥居を潜って奥に進と「山の神」と呼ばれる石殿の後ろに破損した来迎石仏が立っている。現高118cm、幅73cm、厚さ35cmの大型のもので、阿弥陀像だけが辛うじて残る。像高は約69cmの大きさが測られ、偏袒右肩の衲衣は比較的よく残っており、左手を下げ右手は胸元に挙げる。更にその左に別石のように立つ石に勢至菩薩の一部が辛うじて残っているのがわかる。