福島県の来迎石仏・板碑(9) |
A. 本栖寺の来迎板碑
旧市内の北部、県道須賀川二本松線に面して立つ臨済宗の寺院で、吹き放ちの堂内に阿弥陀笠塔婆と並んで直接地面に立てられる。石龕の奥壁に嵌め込まれる点で今まで紹介したものと異なる。江戸時代にこのような形に改造されたものと考えられる。
B. 堀之内薬師堂来迎石仏
旧市内北西部にあたり北部は直ぐに安達郡本宮町に接する。JR磐越西線喜久田駅の北西、藤田川を越えた小高い丘に薬師堂が建ち。その背後右寄りに二基の来迎石仏が直接地面に立てられる。1基は完形で、他の1基は下部を失うが、ほぼ同じ構図のものと見られる。この早来迎形は南部の須賀川市・宝来寺のものによく似ている。
C. 上伊豆島来迎板碑
国道49号線の隠津島神社の南方からへ以北に入った所の農家の近くに建つ小屋に祀られる。上部を欠失して三角形になっており原形は不明。輪郭をとり中に早来迎形の弥陀三尊立像を薄肉彫りする。この三尊像の前(右側)に台座の上に坐る2人の念仏行者の姿が彫られるのは他に例をみない(1人の例は何基かあるが・・)。