東京都(二十三区)の図像板碑(40) |
東京都渋谷区東4 國學院大學考古学資料館
弥陀三尊図像板碑
元は大田区山王1-41-25山王草堂(徳富蘇峰旧邸)にあったもので、平成13年に國學院大學に古瓦、板碑等を中心とした一万点近い膨大な考古資料が一括寄贈された。このうち板碑は70基をかぞえる。これらについては2001年に『國學院大學 考古学資料館要覧』=徳富蘇峰旧蔵資料=として公刊された。
弥陀三尊図像板碑は現高67.5センチ、上幅30.5、下幅35.5、厚さ3.5(左)~3(右)の緑泥片岩製で、下部を欠失する。上部を三角山形とし11センチ下から二条の刻みを持つ。身部には枠線を作らず二条の刻み下から11センチ離れて像高26.5センチの正面向きの阿弥陀如来を陰刻する。阿弥陀像は飛雲の上に立ち、右手を垂下し左手を胸元に挙げた来迎の相を執り、二重の光背をおう。直径133センチと9.5センチの二重の頭光からは三条づつ線刻された放射光が十六方向に伸びるが、石の両端2センチほどの所で先端が止まっている。中尊の足下には共に中を向いて頭光をおう脇侍二菩薩が彫り出される。三尊とも顔は石の表面に作られ輪郭を線刻し、衣紋は薬研彫り状に彫り浚えて表されている。
二条の刻みの下、左側に三日月状の月天が陰刻される。右側にはこれと対に日天が彫られていたと思われる。