【番外】大仏さまの回りを巡り復興を祈る |
13日夜7時から東大寺大仏殿で、東日本大震災と紀伊水害の犠牲者を追悼する法要が営まれ、約110人が参列した。
大震災が起きた2011年のお盆に始め、13年からは紀伊水害の犠牲者も慰霊している。国宝の大仏さま(盧舎那仏坐像)の前で、狹川普文別当が被災地の復興を祈願。僧侶と参列者が般若心経を唱えた後、「南無恩徳広大釈迦牟尼仏」と宝号を唱えながら大仏の周りをゆっくりと回った。
両災害から今年で5年。案内を頂いて初めて参加させて頂いたが、東北から知人が今も復興途上の有様を伝えるミニペーパーを届けて呉れるのを読んで、まだまだ被災地の痛手は癒えていないと感じる。
石造美術の調査を始めたスタートが福島県の中通り地方だった。10年通い「弥陀三尊石仏・板碑」の調査を終え、それを起点に東国の各地を再訪すること30有余年。東日本大震災ではそうした板碑や石仏が失われた礼も少なくない。中世の日本人がこめた祈りの姿を思い、今の人々の暮らしに重ねたとき、自分に出来ることはただ祈ることと考え、参列し一日でも早い復興を願い手を合わせた。
▽中門横の西袖門で入堂を待つ参列者(18:15頃)
▽入堂=壇上の指定された席に着く
▽式次第
▽唄・散華 かなり長い唄のあと散華衆が大仏さまの廻りを経を唱えながら行道。※
▽表白 狭川普文別当 よく通る爽やかな声で朗々と願文を述べられる。
▽行道 参列者一堂が「南無恩徳広大釈迦牟尼仏」と唱えながら、大仏さまの、廻りを1回回る。※
▽三礼 終わって退堂 この間、1時間。
大仏さまの座られる壇上に上がったのは初めてで、左手の辺りに座って極く身近にそのお姿に接した。法要の始まった7時からは、無料公開が始まり、多くの参拝客が大仏殿に押しかけてきていた。それらの人達も見上げるようにして法要を見ていたのではないだろうか。終わって下へ降りると大勢の人、中門から大仏殿までの石畳の広場もビッシリで昼間よりも多いくらい。八角燈籠にも火が入り、観相窓から覗く大仏さまのお顔とが幻想的に臨まれる。
※写真はブログ「土曜日は古寺を歩こう」から引用:許可済み
http://blog.goo.ne.jp/mrslim2/e/f711616ea2082a90f2e004c9d5484315http://blog.goo.ne.jp/mrslim2/e/f711616ea2082a90f2e004c9d5484315