《番外》奈文研など木簡や崩し字の解読システムMO-JIZO開発 |
奈文研(奈良市)と東大史料編纂所(東京都)は先頃、難読文字を画像から検索できる、木簡・くずし字解読システム「MOJJZO(モジゾウ)」を共同開発し公開した、と発表した。
解析したい文字画像(1字分)を入力すると、類似性が高い文字の画像を表示。専門家でも解読が困難な文字の解明のほか、一般の人が古文書などを気軽に読むための補助として期待される。
MOJIZOは桜美林大学の末代(きただい)誠仁専任講師が開発した。デジタルカメラなどで撮影した文字画像データを入力すると、コンピューターが文字の墨跡などを解析。奈良時代から江戸時代前期までの文字資料約3万画像、約6000文字種の中から、木簡と古文書の文字を類似度が高い順に各上位8点を表示するというもの。
木簡や古文書の文字には専門家でも読めない文字が全体の約2割あるとされ、良く似た文字の画像を探すことで解読や新たな解釈につながる可能性があるという。
今後も文字画像や文字種類のデータを拡充する予定で、将来的には手軽に撮影して検索できるスマホのアプリの開発も計画しているという。
奈良文化財研究所の渡辺晃宏・史料研究室長は「読み手はどうしても先入観を持って読んでしまうので、機械の客観的な目を通し、新しい見方を教えてもらえる。2割の解読不能な文字をゼロに近づけるために役立てたい」としている。
MO-JIZOは奈文研のホームページからアクセスできる。
http://mojizo.nabunken.go.jp/
◆試行したのは拓本の刻字
弥陀一尊図像板碑(寛正六年)の交名の「道」
手順:拓本デジタルデータから切り取り→白黒反転→不用部を
削除→DBに貼り込み→「解析する」をクリック→結果表示
【左:白黒反転、右:不用部削除=この画像をシステムに取り込む】
こちらの方法が悪かったのか、解析結果は思ったようには出なかった。木簡などと違い、金石文の拓本という点でもう少し研究してみたい。金石文の判読できない文字の解読に役立つことを期待したいとともに、使用法に慣れる必要もあろうかと思われる。。