埼玉県の図像板碑(61) 児玉郡 9 |
元は小学校があったという横、消防団車庫右奥の墓地の後方斜面に5~6基の五輪塔が立つが、その左端に置かれる。
総高61センチ、上幅19.5、下幅21、厚さ3.3センチの比較的小型の図像板碑。石の上方に二条の刻みの跡が残り、その下に頭光をおう線刻の阿弥陀如来立像の上半身が辛うじて残る。石面の中央よりやや下に二茎蓮を活けた華瓶が線刻され、その左右に刻字の跡が僅かに認められるが、判読できる状態ではない。
この小型の図像板碑は、玉蔵寺を始め隣県群馬県の多野郡にも見られ、一地域色を示すものと考えている。群馬県在住の磯部淳一氏はこれを木幡型板碑と称しておられる。
先の河内・木村家塔、大駄・正覚寺塔、千寿院跡塔は埼玉県在住の板碑の研究者・四方田悟氏の永年の調査で判明したものである。