埼玉県の図像板碑(35) 比企郡川島町ー6 |
県道272号線(岩殿観音南戸守線)を東松山市正代から東へ市町の堺を流れる都幾川に架かる早俣橋の東詰にある共同墓地のほぼ中央に、下部をコンクリートで固めて立つ。
地上高69センチ、上幅38、下幅38.5。厚さ2.8センチのほぼ長方形の図像板碑で、上部を欠失する。
石面両側に枠線を取り、更に石の上中央部に幅18センチの小さな枠線を陰刻し、蓮座の上に立つ阿弥陀如来像を線刻する。身体の周りから枠線一杯に多くの放光が伸びている。枠線に接するようにして頭光をおい蓮座の上に立つ地蔵像が、三躰ずつ二段に同じく線刻で彫り出される。六地蔵の像高はほぼ10センチくらいで(若干大小がある)、それぞれが異なった持ち物を手にしている。最下段中央には前机と華瓶・香炉・燭台三具足が供えられる。
上段の地蔵像の両側に「月待供養 逆修」、前机の下に「文明/□月廿三」と年紀の一部が、その両側には「助五郎 孫八」等の交名が多数彫られるが、塔身全体が切り出した状態の凹凸があるままに彫刻され、更に風化が進んでいるために剥離する部分も多く全体に判りにくい。