埼玉県の図像板碑(31) 比企郡川島町ー2 |
墓地に立っている。総高126.7センチ、上幅37、下幅41、厚さ3.7センチで、頭部の山形はくずれていて原形不明。上方は石面が剥離していて二条の刻みの有無についても不明。石の下端は高さ27センチ、幅24.6~23センチにホゾとして細く作られている。
石の両側5.5センチの輪郭は内部よりも0.5センチ低く作られる。凸出した中央面に像厚が約1.7センチの押し型風に浮き彫りとした合掌の地蔵と思われる立像を彫る。面部は剥離して輪郭を留めるだけであるが、衣紋は単純な線刻であるが良く残っている。長方形の台座の上に立ち合掌するが錫杖も持たず、像の下に刻まれた「永正五天(1508)十一月十一日/正因大師」の銘文から、亡き僧侶を彫ったものかとも考えられる。幅約1センチ程の頭光もところどころ剥落し、全体に保存状態の悪い板碑である。