豊後の磨崖仏(11) 元宮磨崖仏 |
仏の里、国東半島の付け根に位置する豊後高田市真中、かつては田染荘と呼ばれた地域にあたる。
桂川左岸、八幡社の北隣の岸壁に天地300cm、幅600cmのところに、薄肉彫りの像を五体刻む。
右から毘沙門天立像(220cm)、矜羯羅童子(120cm)、不動明王立像(200cm)、持国天立像(190cm)、地蔵菩薩立像(120cm)で、ほかに制吒迦童子が刻まれていたかといわれる。地蔵像は他に比べて小さく後刻ではないかともいわれる。
望月友善著『大分の石造美術』では、<この磨崖仏は元宮八幡の、引いては宇佐八幡本地仏の表現ではないかと考えている>と述べている。平安時代から鎌倉初期の造立とされる。国指定史跡。