福島県の来迎石仏・板碑(58) |
★大久保来迎石仏3 岩瀬村大久保字宿 路傍
次の来迎石仏と共に相楽家裏の旧道の傍に背を向けて並んで立っているが、直ぐ前に建つ物置きと数10㎝の隙間があるだけであるが、現在も信仰があるらしく供物がそなえられている。左側の来迎石仏は地上高69cm、下巾50cm、厚さ14cmで上部がくずれた凝灰岩製である。長方形の輪郭をとり、彫り窪めた内部に中尊の頭部と肩のあたり迄と観音像の頭部の痕跡がかろうじて認められる。他の部分は剥落が著しく原型を留めていない。
★大久保来迎石仏4 岩瀬村大久保字宿 路傍
上方を前に倒して路傍に背を向けてたつ。地上高150cm、下巾100cmを測り、上部が欠失しているとみられる点を考慮すると、長命寺石仏に匹敵する大型の来迎石仏である。凝灰岩製。
輪郭は下方の脇侍像のところを長方形とし、中尊の部分は円光背(全体として鍵孔状)とする他に例のない形をしている。この円光背の中央に阿弥陀如来の立像を半肉彫りするが上半身だけが残り、それ以下は粗く表面があれて剥落する。脇侍菩薩の部分はわずかに勢至像の頭部の一部分がうかがわれる程度で、観音像は完全に剥落している。
以上で岩瀬村の来迎石仏・板碑は終わる。続いて長沼町(現在は須賀川市)に1基だけあるものを紹介する。