宮城県の図像板碑 |
県下の板碑の総数は約4000基といわれる。最古の板碑は丸森町・宗吽院駐車場の文永五年(1268)で、埼玉県の板碑造立より約40年後である。県下での板碑は粘板岩が使われる場合が多い特徴がある。
図像板碑としては
(1)弥陀図像板碑 10基(内1基は未見)
弥陀一尊図像板碑 1基
弥陀三尊図像板碑 9基
(2)地蔵図像板碑 3基
が知られている。
写真は、桃生郡矢本町大塩・弥陀三尊図像板碑である。
地上高167.8cm、上幅68cm、下幅67.5cm、厚さ17cmの粘板岩製。側面は水磨きされその製法は丁寧である。長方形の輪郭を線刻し、その中に中央向きの阿弥陀如来像を挟んで脇侍二菩薩が向かい合って立つ通有形の三尊像を薄肉彫りする。
三尊像の下部に「右志者為/過去弥源/弘安二年(季の下が于の異体字)己夘孝子等/敬白/次之幽儀/成仏得道也」の銘文を刻む。