東京都(二十三区)の図像板碑(17) |
東京都荒川区 荒川3・淨正寺 弥陀一尊図像板碑
JR常磐線「三河島」駅の北東約300メートルの住宅地の中にある清国山淨正寺は浄土宗の寺院で、板碑は境内の池から出土したといわれ、本堂に保存される。
総高81.5センチ、上幅27.5、下幅33、厚さ3.8センチの緑泥片岩製のもので、右側面を一部欠失する。裏面には横方向へのノミ痕が多数残っている。頭部山形は高さ12.5センチで二条の刻みを持ち、その下2センチ隔てて幅27.5センチの陰刻された枠線を持つ(下部は途中で不明)。幅20センチに高さ6センチの天蓋を刻み、その下に7.8センチと5.8センチの二重の頭光をおった来迎印の正面向き阿弥陀如来立像を彫る。頭光から発する放光は左側部分が石面の摩耗の為に不鮮明で現在は十二方向が認められる。阿弥陀像の足元は摩滅しており三具足かと見られる刻線が所々認められる位でしかない。石の下部は表面の石質が上方と異なり軟質で剥離が甚だしい。図像部分も風化摩滅が著しく全体に不鮮明な図像板碑である。