東京都(二十三区・多摩)の図像板碑(1) |
古代・中世には、武蔵國の南部を占め、多摩郡に国府(いまの府中市)がおかれていた。現在、東京都の板碑を総覧する文
献としては 『東京都板碑所在目録』(二十三区分・多摩分、以下所在目録と記す)が唯一のもので、諸般の事情から個々の板碑について記述した報告書は残念ながら制作されなかったことは惜しまれることである。
都下全域を見ると所在目録に収録される板碑の総数は7986基であり、二十三区2389基(29.7%)、多摩分5597基(70.1%)とその多くが多摩地区に所在する。勿論、この目録発行以降の、発掘調査などで新しく見つかっている板碑も多数有る。
一方、本ブログ収録の図像板碑に限ってみれば、52基(66.7%)と26基(33.3%)と逆転現象が見られることに注目される。ただ、東京国立博物館蔵のものは移動したものであり、これらを考慮すると先の比較も単純に割り切れるものではない。
以降、二十三区から多摩へ順次、採訪した図像板碑を今までと同じように紹介していく。