埼玉県の図像板碑(167) 坂戸市 |
弥陀三尊図像板碑 (残欠)
東和田は市北部に位置し、北は越辺川を隔てて東松山市に接する。東武東上線「北坂戸」駅の西北約2キロの地点ある。駅西口から北坂戸団地を越え、高麗川に架かる北坂戸橋を越え、戸口交差点を北へ取ると道の突き当たりに共同墓地があり、道に沿って左へ約100メートルの道路左にコンクリートの台を作りそこに立てられて保存されるが、二折し上端も二条の刻みの右一部が残る残欠板碑である。
現高40.5センチ(右側)、幅48.5、厚さ7.4(左)~4センチ(右)。右側面は平滑に磨かれ、二条の刻みは角を三角に刻み込む。幅40センチの枠線を陰刻し、その中に直径15.5センチの頭光を彫り、三条ずつの光明が彫られるが、阿弥陀像の頭部は風化のためにはっきりしない。
『坂戸市史』中世資料Ⅱ 262ページの記載によると、<弥陀三尊像を刻す>とし、472ページに、線刻の画像板碑で、<現状はセメントで固められ主尊の頭部と放射状の頭光がわずかに見えるにすぎない。岩城*1の古い写真(注:岩城邦男氏、『坂戸市史』中世資料Ⅱの執筆者の一人)で弥陀三尊の来迎線刻図であることがわかるのはありがたい。民間信仰板碑より古い時期の作であろう。>と記述される。ただ、残念な事にその写真が掲載されていないので、全容を知ることが出来ない。