埼玉県の図像板碑(137) 上尾市 |
畔吉東部共同墓地 地蔵図像板碑
高崎線「上尾」駅の南南西約3.5キロ、東武バスの西上尾車庫の西に当たる地域で、道路に面する墓地入口に文化財の標識の柱が立つ。通路突き当たりに地区集会場が建ち、その右前方に西面する小祠の中に祀られる。
現高94センチ、上幅30、下幅32.3、厚さ3センチの図像板碑で、下部をセメントで固定される。頭部山形は幅29.3センチに対して10.5センチとやや高く、二条の刻みをその下に持つ。身部に幅24.5センチ(上部)、28.2センチ(下部)に高さ71.1センチの界線を線刻し、その中に14.3センチの頭光をおって右向きになり、蓮座の上に立つ持錫の地蔵立像が刻まれる。右方に出した左手に持つものからは一条の煙がたなびき香炉かと思われる。
蓮座に下中央に「応安七年(1374)甲/寅八月日」の年紀と、その両側に「明圓」「契□(さんずいに刀又は刃のように見える)三人」と刻まれるが、後者は何と解するべきか判読出来ないでいる。
【参考文献】 上尾市文化財調査報告書第七集『上尾の板石塔婆』(上尾市教育委員会 1979年3月31日)