埼玉県の図像板碑(110) 川口市(7~8) |
『川口市史』古代・中世資料編には編年板碑と題して574基、年未詳板碑ど題して263基、更に板碑補遺として70基、合計907基の拓影を収録している。この中に住居表示変更などにより所在が未確認になっている図像板碑が4基含まれている(同書631ぺ-ジ)。前後2回、教育委員会に照会状を出したが回答を頂けず、実査する機会を得ることが出来なかった。
⑥前川・稲荷社 弥陀一尊図像板碑
埼玉県の報告書『板碑』に前川4-367・新丼八十八家として挙げる板碑と写真を見る限り同じものと思えるが、所在を確認し実査するに至らなかった。
現高48センチ、幅23.5センチの上半分のもので、頭部山形、二条の刻みを持つ。身部に枠線を巻き、日月と瓔珞を下げた天蓋の下に二重の頭光をおい正面を向いた阿弥陀如来が蓮座の上に立っている姿を線刻する。頭光からは光明が放たれて四方に広がる。蓮座の下から以下を欠失する。
⑦榛松2-2-20・榛松不動院 弥陀一尊図像板碑
調査依頼に対して平成19年10月に「現存しない」旨の連絡を頂いた。
市史によると、現高50センチ、幅29センチの大きさで二条の刻みを持つ上部の残欠である。瓔珞の下がる天蓋とその両端に日月を作り、下に正面向きの阿弥陀如来が立つが膝の辺りから欠失する。二重の頭光からは二条ずつの光明が二十二方向に放たれている。