埼玉県の図像板碑(104) 川口市(1) |
JR京浜東北線「川口」駅の西約1.2キロの道路から少し北へ入った所に立つ真言宗智山派の寺院。本堂右前方の鐘楼の前、参道右手に切石に4基の板碑を固定して保存される。図像板碑は右から2基目に当たる(夜念仏供養塔=延徳二年銘・1490)。
「彦五郎 六郎太郎 七郎四郎
四郎五郎 右衛門五郎
太郎 延徳二年庚/戌 (1490)
夜 念 仏 供 養 結 衆
益子 十一月廿四日
弥五郎 平内四郎 五郎二郎
尓四郎 尓藤(カ)五郎 」
武蔵型板碑で「夜念仏供養板碑」は永享八年八月時正銘の東京都練馬区・三宝院の阿弥陀三尊種子板碑を最古に、明応七年十月十五日銘の群馬県伊勢崎市・相川考古館蔵の阿弥陀一尊図像板碑(東京都足立区伊興町旧在)の在銘19基と不明の6基の25基が知られる。
同所の他の板碑の概略は次の通りである。
(1)右端 弥陀三尊種子板碑 蓮座上の月輪内にキリーク、その下にサ・サクを彫り、「永正元年/八月五日/道性禅門」の銘を彫る。現高50.5、下幅19.3、厚さ1.2センチ。
(2)左から二基目 十三仏種子板碑 天蓋の下に蓮座・月輪内のタラーク、その下に四列三段に蓮座・月輪内に種子を彫りその下に交名多数が刻まれる。現高92センチ、下幅35、厚さ3.5センチ。下部左側を欠失する
(3)左端 阿弥陀種子板碑 頭部山形・二条の刻みの下に枠線をとり、蓮座に乗るキリークを薬研彫りする。一対の華瓶の間に「弘安九年十一月日」の銘のみを彫る。現高113。上幅34.5、下幅36.5、厚さ4.2センチ。