埼玉県の図像板碑(62) 児玉郡 10 |
JR八高線「丹荘」駅の南南東約2キロの、新里下公民館の奥正面に当たるところが須藤家で、その裏庭(母屋と牧舎の間の空地)左側に石積みの壇上に社殿が祀られ、その左の地面に下部をコンクリートで固めて二基の板碑が立っている。
左塔が該塔で地上高61.5センチ、上幅24.7、下幅26、厚さ2.7センチで、頭部は先の尖った山形を呈するが、二条の刻みは作られていない。頂部の11.5センチ下から直径12.3センチと5.3センチの線刻の二重頭光をおって、右下方を向いた来迎印をとる阿弥陀如来が先の尖った踏み割り蓮座上に立っている。衣紋は正面中央を残して線刻で表される。右斜め下に二箇所二条線の放光らしき線刻があるが、他に部分には見られず線も弱い。その他刻字などは全く見られない。
四方田氏の報文(「埼玉県西北部の画像板碑」『埼玉史談」第28巻第2号 昭和56年7月1日)から所在を知り、同氏の案内を頂いて実査したものである。