群馬県の石造美術(5) 前橋市鳥羽町の石仏と笠塔婆 |
JR上越線『新前橋』駅の西約1.5kmの関越自動車道と国道17号線の交わる前橋ICの北側にある公民館横に広がる広場の一隅にある。共に前橋市指定重要文化財( 平成3年4月12日指定)となっている。
■大日如来石仏
建物の左前方にある。一石彫成で舟形光背をおい(上部欠失)頭部に宝冠を頂き、顔幅のひろいふくよかな体躯を作る。石の大きさは現高69cm、幅56cm。増は像高69cm、膝張り49cmを計り、光背から14cmの厚さで陽刻される。説明板では鎌倉中期の造立と推定している。
■笠塔婆
大日石仏の左横に立ち、いま笠は失われて無く、塔身のみが残る。現高82cm、幅44cm、厚さ20cmの安山岩製。正面に上は1つ、下に2つの舟形光背形を彫りくぼめ、上に30.5cmの阿弥陀如来坐像を、下の光背形に観音・勢至菩薩の坐像を半肉彫りする。造立は先の大日如来石仏と同じ頃と考えられる。
なお、同所には淡島明神石塔二基(江戸時代)、文字庚申塔(多数)、双体道祖神一基などの石造物が見られる。